原油高で輝く”守りの高配当”:INPEX周辺のツルハシ銘柄5選

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INPEX(1605)が3月末に上場来高値4,955円を叩き出し、株クラのタイムラインが「INPEX最強!」で埋め尽くされました。

…でも正直なところ、4,900円台のINPEXを「今から買います!」と言い切れる方、どれくらいいますか?私は無理でした(白目)。過去1年で約128%上昇した銘柄を高値圏で掴みにいくのは、なかなかの胆力が要ります。

そこで思い出すのが、投資の世界で有名な「ツルハシ理論」です。ゴールドラッシュで一番儲けたのは金を掘った人ではなく、ツルハシを売った人だった――。主役が高いなら、主役の周りで確実に稼いでいる企業を探そう、という発想ですね。

以前の記事「深海レアアースの『ツルハシ銘柄』を探せ」では、レアアース開発の足元を支える企業を探しました。今回はその「エネルギー版」。INPEXという主役が高値圏にいるなら、その周辺で恩恵を受ける”守りの高配当銘柄”を探してみましょう。

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なぜ今、エネルギー株に追い風が吹いているのか

2026年春、中東情勢の緊迫化を背景にWTI原油先物が一時108ドル台まで急騰しました。2022年6月以来の高水準です。 象徴的だったのが4月初旬の値動きです。

日経平均が一時1,400円超の急落を見せる中、INPEXや出光興産といったエネルギー銘柄は逆行高。「原油が上がれば資源株が買われる」というシンプルな構図が、改めて鮮明になりました。 INPEXの足元を見ると、2026年12月期の会社予想は純利益3,300億円(前期比16.2%減)と慎重ですが、アナリストコンセンサスでは経常利益が前年比+3.2%と上方修正期待もあります。

累進配当(年間90円を起点、2026年は年間108円予想)を導入しており、下値の安心感は増しています。 ただし、注意も必要です。地政学リスクは「読めない材料」の代表格。紛争の緩和が報じられれば、原油は一晩で急落する可能性もあります。KDDI急落時の記事でも書きましたが、「一つの材料だけで判断しない」ことが大切です。 だからこそ、今回は「原油が下がっても配当で守られる」銘柄に絞って探していきます。

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エネルギー高配当株の選定基準:4つの条件

今回は以下の4条件でスクリーニングしました。皆さんも証券会社のスクリーナーで再現できるよう、具体的に記載しておきます。

  1. INPEXとの事業連関性:原油・LNG・エネルギーインフラのバリューチェーン上にあること
  2. 配当利回り1.5%以上 or 明確な増配トレンド:「守り」の要
  3. 時価総額1,000億円以上:流動性を確保し、急落時も売りやすい
  4. 直近決算で最終赤字ではないこと:基本中の基本

「利回り1.5%は低くない?」と思われるかもしれません。しかし、商社のように増配ペースが速い銘柄は、現時点の利回りが低くても取得単価ベース(Yield on Cost)では十分に高配当化する可能性があります。間口はあえて広めに設定しました。

原油高で恩恵を受けるINPEX関連のツルハシ銘柄5選

銘柄コードカテゴリ株価(4月初旬)配当利回り
ENEOS HD5020石油精製・販売1,441円約2.4%
日揮HD1963プラントエンジニアリング2,469円約1.8%
商船三井9104海運(LNG・タンカー)6,766円約3.0%
三井物産8031総合商社(資源部門)6,325円約1.8%
NSユナイテッド海運9110原油タンカー7,120円約3.9%

※株価・利回りは2026年4月初旬時点の概算値です。投資判断の際は最新データをご確認ください。

① ENEOS HD(5020):累進配当で守る石油元売りの王者

なぜINPEXの恩恵を受けるのか:INPEXが掘り出した原油を精製・販売する「川下」の最大手。原油高局面では在庫評価益が利益を押し上げるほか、石油製品のマージンも拡大しやすい構図です。

配当・財務の安定性:2026年3月期の年間配当は34円(前期比8円増配)。累進配当を導入し、年間30円を下限として「減配しない」と宣言しています。営業利益は前期比173%増の2,900億円見通しと、足元の業績も絶好調。

リスク:原油価格が急落すると在庫評価損が発生する点は要注意。ただ、累進配当の導入により「最悪でも30円」という安全ネットがあるのは心強いところです。

② 日揮HD(1963):LNGプラントの設計図を握るエンジニア

なぜINPEXの恩恵を受けるのか:INPEXの主力資産であるオーストラリア・イクシスLNGプロジェクトをはじめ、世界中のLNGプラント建設を手がけるエンジニアリングの名門。原油高はLNG開発投資の追い風となり、受注パイプラインの拡大に直結します。

配当・財務の安定性:2026年3月期は第3四半期時点で純利益299億円を計上し、前年の赤字から鮮やかに黒字転換。年間配当40円(利回り約1.8%)は成長株としては悪くない水準です。

リスク:海外大型プロジェクトにはコスト超過リスクがつきもの。かつて子会社の千代田化工建設が巨額損失を出した記憶も新しいところです(ちなみに千代田化工は現在43期ぶりの最高益見通しですが、無配継続中)。

③ 商船三井(9104):LNGタンカーという「海の動脈」

なぜINPEXの恩恵を受けるのか:原油やLNGを産地から消費地へ運ぶ海運は、エネルギーバリューチェーンの「動脈」。特に商船三井はLNG船の保有隻数で世界トップクラスを誇り、INPEXのイクシスLNGの輸送にも深く関与しています。原油高で中東からの輸送需要が高まれば、タンカー運賃にも追い風です。

配当・財務の安定性:2026年3月期の年間配当は200円(利回り約3.0%)。2027年3月期からは累進配当を導入予定で、下限150円を設定。配当の「底」が見える安心感があります。

リスク:コンテナ船の運賃市況に左右される面も。足元ではペルシャ湾でのコンテナ船攻撃の影響で株価が乱高下する場面もありました。

④ 三井物産(8031):資源×商社の「二刀流」

なぜINPEXの恩恵を受けるのか:三井物産はINPEXの大株主であると同時に、自らも世界各地で石油・ガス・LNGの権益を保有する「もう一つの資源企業」。原油高は権益からの収益を直接押し上げます。さらに、エネルギートレーディングや化学品など、川上から川下まで幅広く恩恵を受けられるのが商社の強みです。

配当・財務の安定性:2026年3月期の年間配当は115円(前期比15円増)で、これにより6期連続増配。利回り約1.8%は一見地味ですが、この増配ペースが続けば数年後のYield on Costはかなり魅力的になります。

リスク:資源価格全体の下落局面では、商社株は一斉に売られやすい。ただ、非資源事業(ヘルスケア、モビリティ等)への分散が進んでおり、以前ほど資源一本足ではなくなっています。

⑤ NSユナイテッド海運(9110):原油タンカーの高配当ニッチ

なぜINPEXの恩恵を受けるのか:日本製鉄グループの海運会社で、原油・石油製品タンカーに強みを持つ専業プレーヤー。商船三井が「総合海運」なら、こちらは「原油タンカー特化」。原油の輸送量が増えるほど、ダイレクトに恩恵を受けます。

配当・財務の安定性:今回の5銘柄中、配当利回り約3.9%で最高。直近決算では通期業績を上方修正し、増配も発表しました。内航海運事業の安定収益が下支えとなっている点も評価できます。

リスク:時価総額が他の4銘柄と比べて小さいため、値動きが荒くなる場面も。また、中東情勢が落ち着けばタンカー需要の反動減リスクがあります。

まとめ:原油高は永遠ではない。だから「配当で守る」

原油価格が高止まりしている今、エネルギーセクターに注目が集まるのは自然なことです。しかし、忘れてはいけないのは、地政学リスクは「いつ消えてもおかしくない」材料だということ。 中東情勢が沈静化すれば、原油は急落し、エネルギー株も一緒に売られる可能性は十分にあります。 だからこそ大切なのは、「原油が下がっても配当が守ってくれる」銘柄を選ぶこと。今回紹介した5銘柄は、いずれも累進配当や連続増配といった「株主還元の仕組み」を持っています。

株価が下がっても、配当という「不労所得」が精神的な支えになってくれるはずです。 もちろん、これらの銘柄が必ず値上がりするわけではありません。あくまで「調べてみる価値がある切り口」として、皆さんのスクリーニングの出発点にしていただければ幸いです。


※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。株価・配当データは2026年4月初旬時点の情報に基づいています。

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