※当記事には広告・プロモーションが含まれます。
新NISAで高配当株を買った。配当金が振り込まれた。証券口座に「+9,000円」の表示。
……で、この配当金、どうすればいいの?
使う? 貯める? 再投資する?
私も最初の配当1,200円を何に使うか本気で悩みました。結局ラーメンを食べてある程度の満足感とともに消えたのですが、「再投資していたらどうなっていたんだろう」とふと思ったわけです。
今回は、その「もし配当金を再投資し続けたら、3年後・5年後・10年後にいくらになるのか」を、NISA口座と課税口座で比較しながらシミュレーションしてみます。電卓不要、表を見るだけでOKです。
なぜ今「配当再投資」が注目されるのか
新NISAの成長投資枠(年間240万円)で高配当で有名な個別株を買う人が急増しています。金融庁の調査によると、2025年6月末時点でNISA口座数は約2,696万口座に到達。買付額の累計は63兆円を突破しました。
この人気を支えているのが「配当金の非課税メリット」です。
通常の課税口座では、配当金に20.315%の税金がかかります。年間配当9万円なら、手取りは約7.17万円。一方、NISA口座なら9万円がまるごと手元に残ります。この差額が、再投資を通じて複利で積み上がっていくわけです。
さらに、2026年度の税制改正では、18歳未満にもつみたて投資枠を開放する「こども支援NISA」(年間60万円、上限600万円、2027年開始予定)が盛り込まれました。NISAは今後さらに進化する制度です。配当の非課税メリットを理解しておくことは、長期的に大きな意味を持ちます。
※NISA口座で配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」の設定が必要です。証券会社のNISA口座設定画面で確認しておきましょう。
シミュレーションの前提条件
今回のシミュレーションでは、配当再投資の「仕組みの力」だけを純粋に可視化するため、以下の前提を置きます。
- 初期投資額:100万円 / 300万円の2パターン
- 配当利回り:年3.0%(高配当株の標準的な水準)
- 株価変動:考慮しない(配当再投資の純粋な効果を見るため)
- 配当は年2回(6月・12月)、受取後すぐに同じ銘柄を買い増す想定
- 比較:NISA口座(配当非課税)vs 課税口座(税率20.315%)
「株価変動を無視するのはズルくない?」と思うかもしれません。おっしゃる通りです。ただ、まずは再投資という「仕組み」が生み出す差を数字で確認することに集中したいのです。株価変動まで入れると、シミュレーションが無限に複雑になってしまいますからね。
参考:配当利回り3%前後の代表的な銘柄
シミュレーションの「利回り3%」がどんな銘柄に該当するのか、当ブログの過去記事で紹介した累進配当・連続増配銘柄から参考例をピックアップしました。特定銘柄の推奨ではなく、「こういう利回りの銘柄が実在する」という参考情報です。
| 銘柄名 | コード | 配当利回り | 連続増配年数 | 累進配当宣言 |
|---|---|---|---|---|
| KDDI | 9433 | 約3.1% | 24期 | なし(実質累進) |
| 三菱HCキャピタル | 8593 | 約3.6% | 27期 | なし(実質累進) |
| 東京海上HD | 8766 | 約3.5% | — | あり |
| 三菱商事 | 8058 | 約2.2% | — | あり |
※利回りは2026年4月時点の予想ベース。株価変動により日々変わります。
【シミュレーション結果】配当再投資で3年後・5年後・10年後はいくらになる?
お待たせしました。ここからがメインディッシュです。半期ごとの配当再投資を前提に、正確に計算しました。
表A:初期投資100万円 × 配当利回り3%
| 年数 | NISA口座 | 課税口座 | NISA有利分 |
|---|---|---|---|
| 1年後 | 103.02万円 | 102.40万円 | +6,177円 |
| 2年後 | 106.14万円 | 104.87万円 | +12,688円 |
| 3年後 | 109.34万円 | 107.39万円 | +19,549円 |
| 5年後 | 116.05万円 | 112.62万円 | +34,375円 |
| 10年後 | 134.69万円 | 126.82万円 | +78,606円 |
表B:初期投資300万円 × 配当利回り3%
| 年数 | NISA口座 | 課税口座 | NISA有利分 |
|---|---|---|---|
| 1年後 | 309.07万円 | 307.21万円 | +18,530円 |
| 2年後 | 318.41万円 | 314.60万円 | +38,065円 |
| 3年後 | 328.03万円 | 322.17万円 | +58,648円 |
| 5年後 | 348.16万円 | 337.85万円 | +103,125円 |
| 10年後 | 404.06万円 | 380.47万円 | +235,817円 |
「え、3年で約2万円(100万円の場合)しか差がないの?」
そう思いますよね。正直、3年程度では「NISA最高!」と叫ぶほどの差にはなりません。
しかし、注目してほしいのは5年目以降の加速度です。100万円の場合、5年で+34,375円、10年で+78,606円。300万円なら10年で+235,817円――ちょっとした海外旅行1回分です。これが「何もしなくても」生まれる差。複利の本領は、じわじわと、しかし確実に発揮されます。
おまけ:年3%ずつ増配が続いた場合(300万円)
実際の高配当株は、配当金が据え置きではなく「毎年少しずつ増える」ケースが多いです。年3%の増配が続いた場合のシミュレーションも追加しました。
| 年数 | NISA口座 | 課税口座 | NISA有利分 |
|---|---|---|---|
| 3年後 | 328.92万円 | 322.86万円 | +60,546円 |
| 5年後 | 351.36万円 | 340.32万円 | +110,311円 |
| 10年後 | 421.89万円 | 393.85万円 | +280,489円 |
増配が加わると、10年後のNISA有利分は約28万円に拡大。増配なしのケース(約23.6万円)と比べて約4.5万円の上乗せです。「利回り3%の株を買って放置するだけ」と「増配株を選んで再投資する」では、10年後の景色がかなり変わります。
配当再投資の「意外な落とし穴」3つ
シミュレーションだけ見ると「再投資一択でしょ」と思えますが、実際にはいくつか注意点があります。
落とし穴①:NISAの配当再投資は「手動」
投資信託の分配金再投資は自動設定できますが、個別株の配当金は自分で買い直す必要があります。配当が入金されたら、自分で注文を出して同じ銘柄(または別の銘柄)を購入する手間がかかります。
ただし、最近はSBI証券のS株や楽天証券のかぶミニなど、単元未満株サービスが充実しています。配当金が数千円でも、1株単位で買い増しが可能です。
落とし穴②:再投資するとNISA枠を消費する
配当金を使って同じ銘柄を買い増すと、その買付金額の分だけ年間360万円のNISA枠を消費します。すでに枠をフルに使っている方や、枠が埋まりそうな方は、「配当は受け取って生活費に充てる」という選択も十分合理的です。
落とし穴③:「再投資が正義」とは限らない
配当金を受け取って、おいしいご飯を食べる。旅行に使う。家族にプレゼントを買う。これも立派な「投資の成果」です。
以前の記事でも書きましたが、当ブログは「インデックス×高配当の二刀流」スタンス。再投資で資産を最大化するのも正解、配当を「自分年金」として受け取るのも正解。どちらを選ぶかは、あなたの人生設計次第です。
まとめ:3年の差は小さくても、「仕組み」を作る価値はある
正直に言えば、配当再投資の3年間の差額は、100万円で約2万円、300万円でも約6万円。「たったそれだけ?」と感じるかもしれません。
でも、この差は5年、10年と時間が経つほど加速します。しかも、NISAなら配当に税金がかからない分、再投資の効率が約20%も高い。この「仕組み」を早めに作っておくことが、将来の自分への最大のプレゼントになります。
ただし、再投資が絶対の正義ではありません。配当を受け取って生活を豊かにするのも、立派な投資戦略です。また、株価は変動するため、配当利回りが高くても元本割れのリスクは常にあります。
……と偉そうに語りましたが、私の配当金はだいたいラーメン代に消えています。再投資、来月こそは。
昨日の記事では、原油高局面で配当に守られるエネルギー銘柄を5つ紹介しました。「あの銘柄で配当再投資したら?」と気になった方は、ぜひ今回のシミュレーションの数字と合わせて考えてみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。シミュレーションは株価変動を考慮しない簡易計算であり、実際の運用成果を保証するものではありません。配当は年2回(半期ごと1.5%)で即時再投資する前提で計算しています。数値は2026年4月時点の情報に基づいています。