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6月の権利付き最終日(2026年は6月26日(金))まであと16日というこのタイミングは、「今から間に合う銘柄を探したい」という気持ちが高まる時期でもあります。同時に、新NISAの成長投資枠(年間240万円)でどう動くか、改めて整理しておきたい局面でもあります。
成長投資枠で高配当株を選ぶべき理由と哲学については別記事で、6月権利確定の具体的な5銘柄については「6月末権利確定の高配当株5選」で詳しく紹介しています。今回はその実践版として、「実際にどうやって成長投資枠で高配当株を仕込むか」という手順に特化して解説します。
哲学より手順、概念よりチェックリストを重視した内容です。
まず確認:NISAで高配当株を持つことの意味
なぜNISAの成長投資枠で高配当株を持つのか。まずここを数字で確認しておきます。通常の特定口座では、配当金に対して20.315%の税金(所得税と15.315%+住民税5%)がかかります。たとえば配当利回り4%の銘柄に100万円投資したとすると、年間配当金は4万円ですが、特定口座では約8,126円が税として引かれ、手取りは約31,874円にとどまります。
NISAの成長投資枠で保有すれば、4万円の配当金が全額手元に残ります。差額は約8,000円と聞くと「少ない」と思うかもしれませんが、これを30年・複数銘柄で積み重ねると、非課税のメリットは数十万〜数百万円規模に膨らみます。金融庁のNISA制度説明ページにも記載されているように、NISAは「長く・多く持つほど」非課税の恩恵が大きくなる仕組みです。
私(クアット)自身は80銘柄超の高配当株を保有していますが、そのうち成長投資枠で保有しているものは「連続増配銘柄・非減配銘柄」を中心に構成しています。値上がり益より配当収入を重視し、かつ非課税効果が大きい銘柄を優先するという考え方です。
NISAの配当再投資を10年続けた場合のシミュレーションは、こちらで詳しく解説しています。
6月の重要日程:権利付き最終日まであと16日
高配当株投資で必ず押さえておきたい3つの日付の違いを整理しておきます。まず権利確定日(2026年6月は6月30日・火曜日)は、この日に株主名簿に記載されていれば配当金を受け取れる日です。次に権利付き最終日(6月26日・金曜日)は、この日までに買付が完了していれば権利確定日に株主として認められる日です。証券決済のルール上、権利確定日の2営業日前が権利付き最終日になります。そして権利落ち日(6月27日・月曜日)以降に買っても、6月の配当は受け取れません。
この記事を公開する6月10日(月)から権利付き最終日の6月26日(金)まで、残り16日(11営業日)あります。この期間が「6月を狙った仕込みウィンドウ」です。ただし、権利付き最終日に近づくほど株価が急騰しやすいという現象も起きます。「配当もらいたい」という思惑買いが集中するためです。権利落ち後に株価が下がるケースも多く、急騰した株価で駆け込み購入するのはリスクがあります。できれば権利付き最終日の1〜2週間前までに仕込みを完了させておくのが、私の基本方針です。
6月末権利確定の高配当株5銘柄は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
私が成長投資枠で高配当株を選ぶときの5つのチェックポイント
成長投資枠は年間240万円・生涯1,800万円の非課税枠です。どの銘柄を選ぶかによって、この非課税枠の「価値」が大きく変わります。私がスクリーニングに使っている5つの基準を紹介します。
基準①:配当利回り3.0%以上
非課税メリットを最大化するには、そもそも配当利回りが高い銘柄でないと意味がありません。配当利回り3.0%以上を最低ラインとして設定しています。4%以上であれば積極的に検討します。利回りは株価に連動して変動するため、Yahoo!ファイナンスで購入前に必ず最新の数値を確認してください。
基準②:連続増配5期以上 または 累進配当宣言あり
高配当株投資で最大のリスクは「減配」です。利回りが高くても、突然配当が下がれば投資の前提が崩れます。連続増配5期以上の実績がある銘柄、または「減配しない」「配当は維持か増配のみ」という累進配当を宣言している銘柄を優先します。みんかぶの連続増配ランキングでスクリーニングすると、候補を効率よく絞り込めます。
基準③:配当性向60%以下
配当性向とは、利益の何%を配当として出しているかを示す指標です。配当性向が高すぎると、業績が少し悪化しただけで減配リスクが高まります。配当性向60%以下を目安としており、50%前後が理想的です。逆に20%以下の場合は「まだまだ増配できる余力がある」とポジティブに捉えることもできます。配当性向は決算短信や各証券会社のツールで確認できます。
基準④:自己資本比率40%以上
財務の健全性を測る最もシンプルな指標が自己資本比率です。自己資本比率40%以上を一つの基準としています。借入金が多い企業は金利上昇局面でコストが上がり、配当の原資が圧迫されるリスクがあります。ただし、銀行や不動産など業態によっては自己資本比率が構造的に低い場合もあるため、業界平均と比較して判断することが大切です。
基準⑤:生涯非課税枠(1,800万円)を意識した分散
成長投資枠の生涯上限は1,800万円(成長投資枠のみなら1,200万円)です。1銘柄に集中投資するのではなく、この枠を複数の高配当銘柄に分散させることで、減配リスクや業種リスクを低減できます。私の場合、1銘柄あたりの成長投資枠での保有額を50〜100万円程度を目安にしており、1社の減配があっても全体への影響を限定的に抑えられるよう設計しています。枠は売却後に翌年以降復活するため、長期の計画が大切です。
これら5つの基準を一括でチェックするのに便利なのが、マネックス証券の銘柄スカウターです。配当利回り・連続増配年数・配当性向・自己資本比率をカスタムスクリーニングで絞り込むことができ、私が実際に使っている数少ない「本当に使えるツール」の一つです。口座を持っていなくても一部機能は閲覧できますが、口座開設すると機能がフル活用できます。
実際の購入手順:私がやっている3ステップ
「どの銘柄を選ぶか」が決まったら、次は「どうやって買うか」です。私が実際にやっている手順を3ステップで紹介します。
ステップ①:銘柄スカウターで条件スクリーニング
まずマネックス証券の銘柄スカウターを使い、前述の5基準(配当利回り3%以上・連続増配5期以上・配当性向60%以下・自己資本比率40%以上・時価総額3,000億円以下)を入力してスクリーニングします。結果として候補が50〜100銘柄程度に絞られます。ここから「業種の重複を避ける」「6月権利確定かどうか確認する」という観点でさらに絞り込みます。
ステップ②:Yahoo!ファイナンスで最新の株価・配当利回りを確認
スクリーニング結果で気になった銘柄は、必ずYahoo!ファイナンスでブックマークし、購入の際には最新の株価と配当利回りを確認します。実際の購入価格での利回り計算が最終判断のポイントです。また、直近の決算で業績に変化がないかも確認します。
ステップ③:単元未満株で少額から試し買い
「この銘柄、良さそうだけど100株単元だと数十万円かかる」という場合、私は単元未満株でまず数株〜10株程度を試し買いします。実際に保有することで決算資料を読む動機が生まれ、IRや企業ニュースへのアンテナが高くなります。気に入れば単元まで買い増す、合わなければ少額の損失で撤退できるというメリットがあります。成長投資枠での単元未満株の取り扱いは証券会社によって異なるため、事前に確認しておいてください。
なお、成長投資枠は年間240万円の上限があります。6月に一気に使い切る必要はありません。残りの枠を9月権利確定や12月権利確定の銘柄のために温存しておくという戦略もあります。「6月だけに集中せず、年間を通じて計画的に使う」という視点も大切です。
まとめ:手順を知れば、迷いが減る
今回ご紹介した内容を整理します。
- NISAで高配当株を持つ意義は、配当金の20.315%非課税にある
- 2026年6月の権利付き最終日は6月26日(金)、今日から16日後
- 銘柄選定の5基準:配当利回り3%以上・連続増配5期以上・配当性向60%以下・自己資本比率40%以上・枠の分散
- 購入は3ステップ:銘柄スカウターでスクリーニング→Yahoo!ファイナンスで最新確認→単元未満株で試し買い
- 成長投資枠は年240万円。6月だけで使い切らず、年間を通じて計画的に
「どれを買うか」より先に「どうやって選び、どうやって買うか」を自分なりに確立しておくと、毎回の権利確定シーズンに焦らなくて済みます。私自身、手順が固まってから投資の判断速度が格段に上がりました。今年の6月、まだ16日あります。焦らず、でも淡々と動きましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。データは2026年6月10日時点の情報に基づいており、株価・配当利回りは変動します。
クアット。90年代生まれ、東海地方出身。20代を世界各国で過ごし、4ヵ国語を操りながら多国籍な環境でキャリアを積む。2017年より投資を開始。現在は日本株・米国株を主力に運用し、アッパーマス層(資産4,000万円以上)に到達。海外での経験から「言葉や感情は揺らぐが、数字だけは嘘をつかない」と確信。趣味の域を超えた銘柄分析を、ポエムや感想を排除した「ロジック重視」の視点で発信中。