日銀また据え置き。だからこそ今仕込む高配当株5選

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「日銀が動かなかった。」

4月27〜28日の金融政策決定会合は、市場の大方の予想通り政策金利(0.75%)の据え置きで終わりそうです。「また何もしないのか」という声も聞こえてきそうですが、高配当株を抱える私にとっては、正直ホッとする結果です(笑)。

「金利が上がらない=配当利回りの相対的な魅力が続く」——それが高配当株ホルダーの本音です。今回はそんな「据え置き環境で輝く」高配当株を5銘柄、財務データとともに紹介します。

「日銀がいつ利上げするか」より、「今、何を持っているか」を考えるほうが建設的ですよね。

なぜ「据え置き」が高配当株に追い風なのか

「据え置き=つまらないニュース」と思ったあなた、高配当株投資家にとっては最高の展開です。理由を3つ整理します。

①配当利回りの相対的な魅力が続く

現状の普通預金金利は0.1〜0.2%前後。10年国債の利回りも1〜2%台です。高配当株の3〜4%という利回りが「埋もれた宝」として機能し続けます。日本経済新聞の報道によれば、日銀は追加利上げの判断を6月以降に持ち越す方針で、この「配当有利」の構図はしばらく続きます。

②次の利上げは「早くて6月」——今が仕込みのウィンドウ

市場が利上げを織り込み始めると、銀行株は上がり、ディフェンシブ高配当株は割安に放置される傾向があります。逆に言えば、「利上げ前の今」こそ、財務が優れたディフェンシブ銘柄を安めに仕込める期間です。

③中東リスク・相場不安定時こそインカムゲインが安定感をもたらす

2026年2月から続く米・イスラエル・イラン間の軍事衝突は、いまだ終息の兆しがありません。値動きが荒れる相場環境だからこそ、「配当は毎年もらえる」という事実が心理的な支えになります。キャピタルゲインが読めない時期こそ、インカムゲインは武器です。

今回の銘柄選定基準

「利上げが来ても動じにくい」銘柄を軸に、以下の基準で選びました。

  1. 配当利回り3%以上(2026年4月26日時点)
  2. 自己資本比率40%以上(財務の頑丈さ)
  3. 連続増配5期以上 または 累進配当宣言あり
  4. 配当性向60%以下(無理なく増配を続けられる余力)
  5. 中小型株を2銘柄以上含む(大型株偏重を避けるStock Labの方針)

「高利回り=優良銘柄」ではありません。利回りだけで銘柄を選ぶリスクについては、こちらの記事も合わせてどうぞ。

配当利回りランキングの罠と正しい選び方

今回の5銘柄一覧

銘柄名(コード)株価配当利回り自己資本比率連続増配
全国保証(7164)3,200円3.6%48.5%7期
アイチコーポレーション(6345)1,350円4.4%55%前後7期
SPK(7466)2,042円3.3%55%前後28期
KDDI(9433)2,626円3.1%40%前後24期
沖縄セルラー電話(9436)3,355円3.8%65%前後17期

※株価・配当利回りは2026年4月26日時点の概算値。自己資本比率は直近本決算ベースの推計値。

①全国保証(7164):住宅ローン保証の”静かなドル箱”

【恩恵の理由/なぜこの銘柄なのか】

全国保証は、住宅ローンの「保証会社」です。銀行が個人に住宅ローンを貸し出す際、万が一の債務不履行リスクをカバーするために保証料を徴収し、その保証業務を引き受けているのが同社です。

金利が低いままだと、住宅購入の意欲が高まり、住宅ローンの新規組成件数が増えやすくなります。つまり「日銀が動かない=全国保証の顧客数が増える」という直接的な恩恵構造があります。

【配当・財務の安定性】

2026年3月期の配当予想は1株あたり115円で、配当利回りは3.6%前後。自己資本比率は48.5%と、金融業としては異例なほど財務が健全です。配当性向も44.8%と余裕があり、増配余力が十分残っています。

ROEは13.84%と高水準を維持。「借りたお金で保証する」のではなく、保証料という「フィー収入」で稼ぐビジネスモデルのため、金利上昇の影響を受けにくい点も評価されています。

【リスク・懸念点】

①住宅市場の鈍化リスク:人口減少・高齢化に伴い、中長期では住宅ローンの新規需要が減少する可能性があります。若年世代の持ち家志向の変化も注視が必要です。

②代位弁済リスク:景気後退局面では住宅ローンの滞納が増え、同社の代位弁済(立替払い)負担が増加します。不況時の貸し倒れリスクは保証業固有の弱点です。

②アイチコーポレーション(6345):7期連続増配・高所作業車の地味なトップメーカー

【恩恵の理由/なぜこの銘柄なのか】

アイチコーポレーションは「高所作業車(いわゆるバケット車・クレーン付きトラック)」の専業メーカーです。電力会社や通信インフラ工事、土木建設の現場で使われる業務用車両を主力としています。

この事業の特徴は「景気循環に左右されにくい」点です。電線の張り替えや5G基地局の設置は、景気が良くても悪くても粛々と続く「社会インフラの維持工事」です。金利が動かない時期でも、需要が安定しているため業績への影響が限定的です。

【配当・財務の安定性】

2026年3月期の配当予想は1株あたり60円で、7期連続増配を達成。2019年比で配当額は約2.7倍に増えています。データによれば、配当利回りは4.7%前後と、連続増配株の中でも高水準に位置しています。

同社は「配当性向60%以上を基準とする」と明示しており、業績が伸びれば配当も増える仕組みが組み込まれています。自己資本比率も製造業としてしっかりしており、財務健全性は高い。

【リスク・懸念点】

①中国系メーカーの価格攻勢:中国製の安価な高所作業車が国内市場に流入するリスクがあります。価格競争が激化すると、同社の利益率が圧迫される恐れがあります。

②原材料費(鉄鋼・電子部品)の高騰:製造コストの上昇が利益を削るリスクは製造業全般に共通します。中東情勢による原油高が物流コストを押し上げる影響もあります。

③SPK(7466):28期連続増配・知る人ぞ知る自動車部品卸の雄

【恩恵の理由/なぜこの銘柄なのか】

SPKは、自動車の整備・補修用部品を全国のディーラーや整備工場に卸す専門商社です。社名より「車検・修理部品の配送網」と説明した方がイメージしやすいかもしれません。

自動車のメンテナンス需要は景気に関係なく発生します。車が走っている限り、タイヤもブレーキパッドも消耗します。「低金利が続く=消費者の購買力が維持される=車を使い続ける」という間接的な恩恵もあります。

【配当・財務の安定性】

28期連続増配という実績は、日本の上場企業の中でもトップクラスの水準です。1998年から配当を増やし続け、2026年3月期は1株あたり68円(前期比増配)の予定。28年間で配当額は約9倍に増加しています。

株価2,042円に対し配当68円なので、利回りは3.3%前後。大きな話題にはなりにくい銘柄ですが、「静かに増配し続ける」という信頼性が最大の強みです。

【リスク・懸念点】

①EV化による補修部品需要の縮小:電気自動車はエンジン・トランスミッション系の部品が不要なため、長期的には補修用部品の需要が減少する可能性があります。EV普及のスピード次第では、同社のビジネスモデルそのものが問われる局面が来るかもしれません。

②中堅商社としての交渉力の限界:大手カーディーラーや自動車メーカー系列の純正部品との競合が続く中、価格決定権は限られています。マージンの改善余地が小さい点は注意が必要です。

④KDDI(9433):24期連続増配・累進配当で”裏切らない”大型株

【恩恵の理由/なぜこの銘柄なのか】

KDDIはNTTドコモと並ぶ国内通信最大手の一角。「au」ブランドで知られ、スマートフォン契約者数は4,000万人超を誇ります。毎月の通信料という「見えない定期収入」が、株主配当を安定的に支える原動力です。

通信インフラは景気と無関係に稼動し続けます。低金利環境では5G・光ファイバー網の設備投資コストが抑えられるメリットもあります。「安定感の権化」として、金利が動かない時期に特に安心感の高い銘柄です。

【配当・財務の安定性】

2026年3月期の配当予想は1株あたり80円で、24期連続増配を達成。累進配当方針(将来にわたって減配しない方針)を宣言しており、株主への還元姿勢が明確です。株価2,626円に対し利回りは3.1%前後。

KDDIについては、以前の記事で株価急落時の保有判断について詳しく分析しています。合わせてご覧ください。

KDDI株価10%急落!それでも私が「売らない」と決めた3つの理由:子会社不祥事で見えた「買い場」のシグナルと、高配当株の出口戦略

【リスク・懸念点】

①通信料金の引き下げ圧力:政府の「料金値下げ要請」は繰り返されており、競争激化による利益率の低下リスクは常に存在します。楽天モバイルの本格的な価格攻勢も注視が必要です。

②大型投資のコスト増:5G・光ネットワーク・データセンターへの投資は継続中で、フリーキャッシュフローを圧迫する局面があります。設備投資の規模感は今後も株主還元との綱引きになります。

⑤沖縄セルラー電話(9436):KDDIの”離島の牙城”・配当利回り3.8%

【恩恵の理由/なぜこの銘柄なのか】

沖縄セルラー電話はKDDIの連結子会社で、沖縄県内の「au」ブランドの通信サービスを担います。沖縄という地理的特性が、この銘柄を特別にしています。

島という閉じた地理のため、競合他社が物理的なインフラ整備をしにくいのが最大の強み。ソフトバンクや楽天が参入しても、沖縄本島・離島全域をカバーするには多大なコストがかかります。結果として同社のシェアは高い水準で安定しています。

前回の記事(鉄壁ディフェンス株5選)でも紹介した銘柄ですが、今回改めて登場させた理由は「金利据え置き+中東リスク継続」という不安定な相場環境において、特にディフェンシブ性の高さが光るからです。

【配当・財務の安定性】

2026年3月期の配当予想は1株あたり128円。株価3,355円に対する配当利回りは3.8%前後と、通信大手の中では最上位水準です。KDDIグループ全体の配当政策と連動しており、親会社の累進配当方針が「支え」となっています。

自己資本比率は65%前後と、KDDI本体よりも財務が保守的。借入比率が低く、金利上昇の影響を受けにくい堅固な財務構造です。

【リスク・懸念点】

①沖縄経済・観光業の変動リスク:観光客数に依存する沖縄経済が落ち込むと、法人向け通信需要や人口流入が鈍化する可能性があります。中東リスクによる訪日観光への影響も間接的なリスクです。

②親会社KDDI依存のリスク:グループ方針の変更(完全子会社化・合併等)があった場合、株主優待や配当政策が変わる可能性があります。規模が小さいため、流動性(売買のしやすさ)が低い点も念頭に置く必要があります。

まとめ:「何も起きない」相場でこそ配当株が輝く

今回の5銘柄を一言で振り返ると:

  1. 全国保証(7164):低金利→住宅ローン需要→保証料増加という正の連鎖。財務優良で配当性向にも余裕。
  2. アイチコーポレーション(6345):インフラ維持の「必需品」製造。7期連続増配で利回り4.4%という実力派中小型。
  3. SPK(7466):28期連続増配という驚異の実績。自動車メンテナンス需要の底堅さが支える。
  4. KDDI(9433):累進配当方針×24期連続増配の安心感。大型株の安定感が欲しいならここ。
  5. 沖縄セルラー電話(9436):地理的な参入障壁という唯一無二の強み。利回り3.8%でディフェンシブ性も高い。

一つ注意点として、「今が据え置き環境」であっても、次の利上げが6月以降に来れば、銀行株・保険株が脚光を浴び、今回紹介した銘柄の一部は相対的に見劣りする局面も出てきます。据え置き中に仕込み、利上げが決まれば一部をリバランス——それが現実的な対応です。

財務が盤石な高配当株の選び方については、こちらの記事も参考にしてください。

【2026年4月版】鉄壁ディフェンス株5選:中小型ニッチ厳選

…と書きながら、私自身はまだ買い増しできていません。口座を開くたびに「全国保証かSPKか」と迷って、結局画面を閉じています。分析より行動が難しいというのは、本当のことです(笑)。


※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。データは2026年4月26日時点の情報に基づいており、株価・配当利回りは変動します。


運営者プロフィール

クアット。90年代生まれ、東海地方出身。20代を世界各国で過ごし、4ヵ国語を操りながら多国籍な環境でキャリアを積む。2017年より投資を開始。現在は日本株・米国株を主力に運用し、アッパーマス層(資産3,000万円以上)に到達。海外での経験から「言葉や感情は揺らぐが、数字だけは嘘をつかない」と確信。趣味の域を超えた銘柄分析を、ポエムや感想を排除した「ロジック重視」の視点で発信中。目標は、全読者が自分でも銘柄分析ができる投資リテラシーを身につけること。

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