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突然ですが、あなたは今、何銘柄の株を持っていますか?5銘柄?10銘柄?それとも20銘柄?
私の答えは、80銘柄以上です。人に言うと大抵「多すぎる」と言われます。証券会社のアプリを開くたびに、ズラリと並ぶ銘柄リストを見て自分でも少し引きます(笑)。
でも、これには理由があります。2017年に投資を始めたときから、最初からこの数を目指していたわけではありません。インデックスファンドから始め、個別株に出会い、配当金の入金に感動し、分散の意味を理解し——少しずつ考え方が変わってきた結果、気づいたらここに辿り着いていました。
今回は、その変遷を正直に振り返ってみます。「なぜクアットは80銘柄以上持つのか」という問いへの、できるだけ率直な答えです。
2017年、投資を始めた私がまず選んだのはインデックスファンドだった
投資を始めたのは2017年です。きっかけは漠然とした不安でした。「このまま給料だけに依存していていいのか」「老後の資金は本当に大丈夫なのか」——具体的な数字はないまま、なんとなく将来が心配になっていました。
そこで最初に選んだのがインデックスファンドです。「個別株は難しそう」「プロでも市場に勝てないなら素人が勝てるわけがない」という先入観があったからです。当時の私には、インデックス投資の論理は明快で分かりやすく、金融庁のNISA制度もちょうど普及しつつあった時期でした。
インデックス投資は今でも良い選択肢だと思っています。低コストで市場全体に分散でき、長期で積み立てればリターンが出やすい。これは事実です。でも、当時の私には何か「物足りない感覚」がありました。
積み上がっているのは数字の上で分かる。でも、お金が入ってくる実感がない。評価額が上がっても下がっても、「売るまで現実にならない」という感覚。これが当時、私がインデックス投資に感じていた正直な違和感でした。
配当金が口座に入った瞬間、何かが変わった
転換点は、初めて配当金が口座に振り込まれた日でした。最初に買った個別株はKDDIと三菱UFJフィナンシャル・グループ。「誰でも知っている大型株・高配当株なら勉強にもなる」という軽い気持ちでの購入でした。
そして数ヶ月後、口座にわずかな配当金が入金されました。金額は大きくありませんでした。でも、その瞬間に感じた感覚は今でも覚えています。「自分が何もしていないのに、お金が入ってきた」という、それまでに味わったことのない体験でした。
給料は働いた対価です。副業収入も労働の対価です。でも配当金は違う。株を持っているだけで、企業が稼いだ利益の一部を分けてくれる。この「仕組みが動いている実感」が、私の投資スタンスを大きく変えました。
「もっと配当をもらいたい」「もっと多くの企業から入金されるようにしたい」——この動機から、インデックスファンド中心だった資産配分が、徐々に個別高配当株にシフトし始めました。
5銘柄から50銘柄へ。銘柄数を増やした3つの理由
最初は5〜10銘柄の高配当大型株を持つスタイルでした。それが徐々に増え、いつの間にか50銘柄を超え、現在は80銘柄超に至っています。銘柄数を増やした理由は、大きく3つあります。
理由①:1銘柄の減配リスクが怖くなった
最初に集中保有していた頃、ある銘柄が業績悪化で減配を発表しました。金額は小さかったのですが、配当収入全体に対する影響は無視できませんでした。「これが5銘柄集中だから気になる。100銘柄に分散していたら、1銘柄の減配は全体への影響が1%以下になるはずだ」という計算に気づいたのです。
高配当株投資において、減配は最大のリスクです。しかし、それを銘柄数で薄めることができる。この気づきが、分散を意識するきっかけになりました。
理由②:単元未満株で少額から買えるようになった
銘柄数を増やすうえで実務的に助かったのが、単元未満株サービスの普及です。SBI証券の「S株」、マネックス証券の「ワン株」などにより、1株数百円〜数千円から買えるようになりました。
以前は「100株買わなければいけない」という制約がありましたが、単元未満株であれば資金が少なくても幅広く分散できます。マネックス証券の銘柄スカウターのような財務分析ツールと組み合わせることで、候補を絞ってから少額で試し買いするというスタイルが確立しました。
理由③:「発掘する楽しさ」を知った
もう一つの理由は、正直に言えば「楽しいから」です。誰も注目していない中小型の高配当株を自分で発掘したときの達成感は、インデックス投資では味わえないものでした。
みんかぶの連続増配ランキングや株探の財務データを見ながら、「この銘柄、配当性向も低いし自己資本比率も高い。なぜ誰も話題にしていないんだろう」と感じたとき、その銘柄を少し買ってみる。これがStock Labを始めたきっかけにもなっています。
80銘柄を超えてから気づいたこと:メリットとデメリットの現実
80銘柄を超えた今、正直に認めなければならないデメリットもあります。
管理が大変です。決算発表のチェック・配当入金の把握・損益の確認——80社分をフォローするのは、週末をある程度使う覚悟が必要です。「実質インデックスに近づいている」という批判も、完全には否定できません。銘柄が増えるほど、1銘柄への理解は浅くなるリスクがあります。
それでも続ける理由は3つあります。
まず、1銘柄の暴落・減配のダメージが精神的に許容範囲に収まること。80銘柄均等なら1銘柄が0になっても全体の1.25%。これは私が許容できる数字です。
次に、毎月・毎四半期、複数の企業から配当が入金される実感があること。入金のたびに「仕組みが動いている」という感覚があります。
そして最後に、100銘柄というゴールに向かって積み上げること自体が楽しいこと。これは完全に趣味の領域かもしれません。
ただし、これは私のスタイルです。全員に勧めるわけではありません。自分の時間・資金・精神的耐久力から逆算して、最適な銘柄数は人それぞれです。
正解の銘柄数はない。自分の目的から逆算するだけ
高配当株投資における「正解の銘柄数」は、人によって違います。私が考える大まかな3タイプを紹介します。
少数精鋭型(〜20銘柄):管理を楽にしたい・各銘柄を深く理解して保有したい人向けです。1銘柄への集中度が高い分、選定精度が問われます。減配リスクへの対応として、財務健全性の高い大型株を選ぶ傾向があります。
バランス型(30〜50銘柄):分散と管理のバランスを取りたい人向けです。業種・セクターを意識して組み合わせることで、個別リスクを下げながら、管理の負担も一定範囲に収めることができます。
クアット型(80〜100銘柄):管理コストをある程度許容して、個別リスクを極限まで下げたい人向けです。「配当の仕組みをできるだけ多くの企業に分散して設置する」というイメージです。投資自体を趣味として楽しめる人に向いています。
どれが正解かではなく、「自分がどのタイプか」を知ることが出発点です。投資スタイルは、資産額・使える時間・精神的耐久力・投資の楽しみ方から逆算して決まります。
高配当株の銘柄数とリスクの関係については、こちらの記事で詳しく整理しています。
まとめ:予測より設計、感情より数字
2017年のインデックス投資から始まり、配当金との出会い、分散への気づき、そして今の80銘柄超へ——振り返ると、毎回「正解を探しながら」ここに辿り着きました。
今の私の投資哲学を一言で言うなら、「予測より設計、感情より数字」です。相場がどう動くかは分かりません。でも、どんな仕組みを設計するかは自分で決められます。配当という確実なリターンを積み上げ、分散によって個別リスクを管理する——この設計思想が、80銘柄という数字の背景にあります。
私がインデックス投資と高配当株投資の二刀流を続ける理由は、以下の記事にて紹介しています。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資方法を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。データは2026年5月時点の情報に基づいています。
クアット。90年代生まれ、東海地方出身。20代を世界各国で過ごし、4ヵ国語を操りながら多国籍な環境でキャリアを積む。2017年より投資を開始。現在は日本株・米国株を主力に運用し、アッパーマス層(資産4,000万円以上)に到達。海外での経験から「言葉や感情は揺らぐが、数字だけは嘘をつかない」と確信。趣味の域を超えた銘柄分析を、ポエムや感想を排除した「ロジック重視」の視点で発信中。